2019.11.16 ゆずと間伐体験とカモシカ君(定例活動)

台風19号の被害により環境保全地域への道が交通規制されていたため、ゆず畑と隣接する山林に場所を変えての活動でした。帰り道、青梅市成木に生息するとみられるカモシカに遭遇というハプニング付きです。

ゆずと間伐体験とカモシカ君

活動拠点にて

今回は、先日の青梅市産業観光まつりでふれあいの森の活動に興味を持たれたご夫婦と会員の家庭菜園仲間の1名、計3名も参加しました。

今日の機材
手が丸く体操

今回は体験の方もいるとのことで、まずは自己紹介と活動概要の説明。そして器材の準備の後準備運動をしてから現場へ向かいます。

活動拠点から徒歩で向かいます。崖はまだブルーシートの状態。なかなか復旧が進みません。

復旧が進んでいない...

間伐体験

一本目

一本目は、体験の方は会長から間伐要領の説明を受けながら見学。その間に会員がいつもの通り伐倒をします。

今回のゆず畑周辺の間伐は、木が密生していていつもの環境保全地域より難度は高いかも。伐倒方向がずれると、すぐ掛かり木になり後が大変です。

などと考えてる間に...

ズドーン!

おみごと。意外とあっさりいきましたねぇ。

玉切り時の事故防止等の指示を受けながら、体験の方も玉切り、枝払いに参加していただきました。

枝払い
玉切り

さぁ、二本目へ。

二本目

二本目は、伐倒方向の決定、受け口、追い口の切り方を実践してみました。

このエリアは木が密生しているので伐倒方向を決めるのが非常に難しくなります。

木の隙間に倒せばいいわけですが、これが意外と難しい。

まず、倒す木の傾きや枝の張り具合で重心が変わります。重心の方向に木は倒れやすくなるので、受け口を入れた方向にまっすぐ倒れてはくれません。

また、倒す場所も木の隙間ならよいというだけではなくて、周囲の木の枝の張り具合によっては倒れる途中で引っかかってしまいます。掛かった木は風の影響、自重による枝の折れによる回転などで突然倒れだすことがあり、間伐作業で一番危険な状態になります。なので、掛かり木になったらその動きを監視しながら安全な伐倒方法を考えます。

倒す方向も、斜面と並行に倒すと木が跳ねたり、滑って落下したりと危険なため、基本は斜面の方向に直角に近くなるようにしなければなりません。

さらに、倒した後の手間を考えて玉切りや木の運搬がしやすい場所を狙います。

と、いろいろな要素を加味して伐倒方向は決定されます。これがキモなんです。

さてさてどうなったかというと...

鋸を入れた後、鉈で受け口を切ります
切れ具合を確かめて慎重に修正
追い口をいれます

基本は受け口の方向に木は倒れていきますが、ツルの残し方で方向を微調整することもできます。

受け口というのは写真の楔形の切り込みのことです。倒す方向に作ります。追い口は受け口の反対側にまっすぐ入れる切り込み。受け口と追い口の間に残った部分を「ツル」といいます。
ツルが蝶番のようになって木が倒れるので、倒れた瞬間に木が跳ねたり跳んだりせずに済みます。また、ツルの太い方向に木が倒れるので、伐倒方向の微調整も可能になるんですね。

そして、

ズドーン!

二本目もお見事でした。

三本目

三本目は体験者3名と会員4名の計7名で間伐班を作って自立。伐倒方向の決定から、ロープ上げ、滑車の設定、受け口、追い口作り、伐倒方向の微調整、そして伐倒まで協力してやっていただきました。

かなり難易度の高い木を選んだようですが...

ズッドーン!!

お見事。なんとこんな状態。

針の穴を通すような伐倒。偶然か?必然か?神のみぞ知る。

狙った通りということにしておきましょう(笑)

幹回り87cm。鋸で倒すには限界近い太さです。

おっと、そばにくさびが落ちてますね。ツルも半分だけ残ってるような。途中で枝がかかったのでしょうか。

掛かり木になった時ツルをうまく使うと、木を回転させて掛かった枝を外すことができるんです。

そんなこんなで合計10本の杉、檜を伐倒しました。

晩秋の陽射しを満喫

昼食後

昼食後はゆず畑の道補修を兼ねて、道を作るときに必要な土留め材、杭作り、杭打ちを体験していただきました。この作業は山仕事にはとても重要なものです。

そして、一仕事終えて、ゆずの収穫。

70本余ある樹の中、実の付けているのは5本程度で極端な不作です。春先の花芽時の異常高温が原因とのこと。(地元の古老談)

そういえば、青梅市内、木になっているゆずをあまり見かけませんね。

帰り道

山を下りて拠点への帰り道。てくてく歩いていると...

「!!」

「犬!?」 (しっぽ振ってません)
「猫!?」 (こんなでかくない)
「ロバ!?」 (そんなわけないです)
「牛!?」 (ちょっと近いかも)
「シシ神様!?」 (ジブリファンですか?)

カモシカの子どもです。草を食べていました。成木にも生息しているんですね。

カモシカは「シカ」という名前がついていますが、実は牛の仲間です。体つきをよく見ると牛に似てるでしょ?
この子はニホンカモシカ。天然記念物です。そーっとしておいてあげましょう。
カモシカの足って意外と太い? 実は「カモシカのような脚」という時のカモシカは実はレイヨウのことだと言われてます。

そして無事拠点に到着。先日落成した新倉庫に表札を掲げました。

ん? マジック・・・(笑)

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