2022.5.1 間伐等に関わる事故防止研究会
間伐等に関わる事故防止研究会
今年度2回目の定例活動は、「間伐等に関わる事故防止研究会」というテーマの下、環境保全地域に向かいました。
ケーブルキャッチャー改
ロープ上げをより高く、より簡単にということで、電気工事で使うケーブルキャッチャーを改造したものを使っているのですが、前回の間伐時、ロープを上げた後先端部が引っかかってしまい、ポキンと折れてしまいました。
黒い部品の先に二股のステンレス棒がついていたんですけども...
それならばということで、金属製に変更。
根元をステンレスパイプ化。先端部が引っかかったとのことですので、引っかかりにくい形状にして材質はやや柔らかめ。これで引っかかってもしなるように抜けてくれるはずです。
ナットを埋め込んでいますので、ケーブルキャッチャーの先端部にうまくはまるはず。
ぴったり。これなら絶対折れません。
完璧! と思いましたが、実際に使ってみるとまだまだ問題があることがわかりました。
そうこうしているうちに皆さん到着。
体験参加いらっしゃい!
資器材揃えてミーティング...ですが、
天気が怪しい。天気予報では午前中は持ちそうですが、早めに切り上げて拠点で昼食&ミーティングとなりました。
あれ、初めて見る人?
と思ったら、体験参加のSさん。うれしいですね。
足元を見れば気合の入り方がわかります。
資器材そろえたら出発!
事故防止の合言葉は「よ・あ・け」
春になって気温が上がり、雨も降り、入山口になっているからさわ口も緑の世界に変わってました。
目を凝らしてみると...
木のベンチが埋もれているのがわかりますか?
数年前、企業のCSR活動として行っていたグリーンシップアクションという取り組みで作った物だそうです。
ふれあいの森もサポートしていたのですが、台風による林道の崩落でバスが通れなくなり、コロナで集会が自粛されるようになって開催されなくなってしまいました。
林道の補修は完了し、「屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう。」と、厚生労働省から発表されましたので、再開されることを切に願います。
足元には、これがにょきにょきと。
ゼンマイ? こごみ? シダの一種には変わりありませんが、食べられない種類の様ですね。
今日のメンバーは、この6名とカメラを持っている私の計7名。準備体操の後、間伐部会長から訓示がありました。
「事故防止の合言葉は「よ・あ・け」! 危険予知の「よ」、安全第一の「あ」、健康管理の「け」」
復唱して山に入りました。
「よ あ け」とは、
危険予知の「よ」:刃物 転倒 重力(落下、下敷きなど)危険予知能力を高めよう。
安全第一の「あ」:楽しさよりも安全第一。特に楽しく盛り上がっているとき注意。
健康管理の「け」:日頃の健康管理、活動中の健康管理。小さな変調でもすぐに共有、対応。
を意味します。(間伐部会長より)
看板補修
あじさいの道を行くとおなじみの動物の足跡。えぐられた土が流れていってしまっているので、雨の前にできた足跡でしょうね。
今回の最初のミッションです。
あじさいの道の道標修復。
木ねじを持ってきたので付け替えます。ダメになったねじを抜いて...っと。
抜けた!
ねじを交換して杭に取り付けます。
体験参加者にも働いてもらうふれあいの森です(笑)
完成!
さぁ、次のミッションへ。
保全地域看板の補修です。
その前に、りんどう坂の途中で休憩。
自粛明け2回目の活動ということで、まだ体が慣れていないせいでしょうか。ちょっと辛そうです。
事故防止の合言葉「よ・あ・け」の「け」! 健康管理。皆さん異常はないでしょうか。
少し長めに休憩した後、保全地域看板に到着。
大分傷んでしまってます。文字もそうなのですが、根元が腐ってしまって倒れやすくなっています。
この位置は地面の中に木の根や石が多く打ち込んでも杭が入っていかないため、木に縛り付けて何とか固定するしかありません。
前回は紐を持ち合わせていなく、メンバーが持っていたビニール袋を裂いて紐にして何とか固定してあります。
ポリエステルのロープでがっちり固定。これでしばらくは大丈夫でしょう。
植栽木の成長は...?
保全地域入り口の看板を過ぎると開けた斜面へ。
無数のベンチが並べられたこの斜面は、ふれあいの森の活動が始まった当初切り開いた場所だとか。
植樹した広葉樹もたくさんあります。前回の活動でも確認しましたが今回も様子見。
育ってますかね?
斜面の上にも植樹はあります。
植樹された広葉樹を見下ろす面々。
育ってはいますが、成長スピードは遅いです。水なのか、日当たりなのか...。
紅葉が映える森が見られるのはまだまだ先になりそうです。
休憩したら再出発。
間伐
みずならの道を上へ。
ひーこら言いながら現場到着。
今日の作業エリアはここ。紐が巻いてある木が何本か見えますね。これが間伐する木です。
かなり込み合っています。上空を見ると枝が絡み合った状態。
ウインチで引っ張りながらチェーンソーで伐るのならばなんとかなるのでしょうが、ロープを人力で引く場合、木を倒す方向は限定されてきます。
その方向がほかの木の枝で埋まっていたりすると、先に倒す方向の木を伐採しないとなりません。それもチェーンソーならば時間はかからないのですが、鋸と鉈で伐倒する私たちには一日で伐倒できる木の数も限られますので、慎重になります。
「これを間伐するには、先にこれを倒して...」と討議した結果、最初にこれを間伐することにしました。
一本目
再度上空を確認しますが、すべての伐倒方向がほかの木の枝で塞がっています。掛かり木になってもリカバリーできそうな方向を選んでGO!
ロープを上げて...
滑車のセットと受け口追い口切りが同時進行。毎回思いますが、この辺の連携は見事です。
今回から、追い口を入れる時と、ロープを引くときにホイッスルで合図をするのが決まりになりました。
「ピーッ」とロープを引く合図が入ります。
体験参加のSさん、滑ってますけど大丈夫?
やっぱり掛かり木ですね。もう一度引きます。
う~む。まだですね。
まだまだ~ もう一回!!
少し進んだ気はしますが...
かかっているところは...
お!? もう少しです。
そろそろ体力が...
伐倒完了!
ぎりぎりの隙間。狙った通りです。
二本目
ケーブルキャッチャー改を使ってロープ上げ。
枝打ちしていない木は短い枝が残っていてロープが引っかかってしまいます。
ケーブルキャーッチャーは天井にある電線を引っ張り降ろすためのもので、延べ竿のような作りになっています。
グイグイ持ち上げていると、重さに耐えられなくなったケーブルキャッチャー改が...
するするストンと落ちてしまいました。
何回もトライしているうちに、先端の金具がぐにゃっと。ロープから外しやすくなるようにと柔らかい素材にしたのが裏目に出たようです。
それでもある程度まで上がったので鋸を入れます。
こちらも掛かり木になりながらもなんとか伐倒。
しかし...倒れた先にあった枯損木にぶつかり、そのダメージで枯損木が傾いた状態に。
放置するのは危険と判断し、処理することにしました。
枯損木処理
ロープで引くだけで倒れそうに見えたのですが、芯はしっかりとしており、意外と難航しました。
この辺で雨が降ってきたので下山。午後は中島林業さんの工場をお借りして昼食&ミーティングの予定です。
ピンボケ失礼しました。
帰り道、あじさいの道にはこんな札が。林道沿いにも20数か所、植物の名前がわかるようにと、自然観察部会の女性会員がこんな札を付けてくれたそうです。
昼食&ミーティング
使った道具を整備して移動。
昼食を食べながら今後の活動について意見交換をしました。