2019.8.17 定例 常盤林道の落石と掛り木処理
8月17日、前日の豪雨が心配でしたが、当日はすっかり晴れて気温上昇。いつも通りの定例活動が始まると予想していましたが、道中にハプニングが...
常盤林道の落石
いつも通り、東青梅駅に集合して活動拠点へ移動。まだ8時過ぎなのに強烈な日差しで汗が落ちてきます。
早速車に分乗して入山口まで移動します。
常盤林道を車で走っていくと、道路をふさぐ倒木。おおよそ2mくらいです。
前田事務長の「撤去作業!」の指示の下、ささっと片づけます。皆さん慣れたものです。(写真撮り忘れました)
さらに少し行くと、またまた倒木。今度は小ぶりです。どこかの土留めにでも使っていたものでしょうか。そのまま通過することもできましたが、山の環境を守ると宣言している以上、通り過ぎるわけにはいきません。
こちらもささっと片づけました。
前日の豪雨で山から転がり落ちてきたんでしょうね。
たまたま出会ったのは小さな丸太でしたが、他の場所ではもっと大きな木が道をふさぐこともあります。木々が密集しすぎると、根を張れないまま育った細い木が地盤が緩んだ時に風で倒れて、道をふさいでしまうんですね。
大雨で視界が悪い時に突然木の通せんぼ。ぞっとします。
そしておまけに、落石。
路肩に転がっていました。車の通行には問題なさそうですが、ロードバイクのコースにもなる道なのでちょっと危ないですね。これも撤去しました。
これで安心。
「落石注意」という看板はよく見かけますが、本当に落ちてきます。雨の日は特に注意してくださいね。
いざ山中へ
いつも通り入山口で準備体操して山に入っていくわけですが...
暑い! とにかく暑いんです。こんな日は山の中の方が涼しいことを皆さん知っています。自然の涼に期待して山に入っていきます。
暑い日は休憩を多めに。水分、塩分補給もしっかりと。
などとやっていると、「あっ!」
昨日の大雨のせいでしょうね。細い木が倒れています。枝が引っかかって止まっている状態。いつ倒れるかわからないので、近づくと危険です。
運が悪いと倒れた木が斜面を滑ってふもとまで一直線にズドン...とまではならないと思いますが、いかに間伐・除伐が大切かわかります。
看板補修
次の休憩ポイントには倒れた看板があります。今日はこの補修も目的。
さて、どう直しましょうか。どうやら根本が腐って倒れてしまったようですね。
鉈でもう一度尖らして杭のようにします。
そのまま地面に突き刺そうとも考えましたが、また倒れる可能性もあり。近くの木に寄せて立てることにしました。
一応、カケヤ(木のハンマーです)で叩いてみますが、木の根があるせいか深くは入りません。ひもで縛っておきました。
保護網補修
そして、前回の定例活動で補修しきれなかったすみれ道の保護網です。
完全に下草に埋もれている状態。ちょうどいい具合に鹿さんからの目隠しになりそうですが、日当たりが悪くなると木の成長に影響するので、悩んだ結果周りだけ刈ることにしました。
下草を刈り取た状態。こんなのが埋もれていました。
いい感じに育っていますね。木の杭2本で網を支えています。杭が傷んでグラグラしていました。支柱を立て直します。網は再利用。
網を外すとたくさん若芽が出ているのがわかりました。緑が薄く見えるのは日が当たっていなかったせいでしょうか。
支柱を立てて網を巻きなおします。
支柱は3本あると安定しますね。
そして完成!
日当たり良好。網も余裕あり。大きく育ちますように。
作業終わって移動する時...私は写真を撮る関係上、右手の手袋を外すことが多いのですが、ついつい素手のまま藪の中に手を突っ込んでしまいました。
その結果...
草で指を切ってしまいました。(クリックするとモザイクなしの写真になります。苦手な方は見ないでください)
すぐ水で流してアルコール綿で消毒。こんな時のために個別包装のアルコール綿と、飲料水はスポーツドリンクのほかに水を持ち歩いています。
消毒するほど大げさではなさそうですけど。
意外と草で手を切ることは多いようで、山を移動するときは、長袖、長ズボンに手袋も忘れずに!
すみれの道 道補修
すみれの道を少し行くと前回発見した土留めの崩落。休憩しながら作戦を練ります。
どうやら、道の端に設置した丸太が転がって、少し谷側の土留めに引っかかっている様子。作戦会議の結果、谷側の土留めを生かして少し道を谷側に広げることになりました。
作業開始。
以前間伐した時にできた丸太を持ってきて、土留めの隙間に置きます。唐鍬(トウグワ)で土を寄せて足で踏み固め...
作業完了。
以前より道幅が広がって歩きやすそうですね。
間伐
そこから少し戻った山側の斜面が今回の間伐エリア。前回の定例活動とほぼ同じ場所です。
一本目。
ターゲットはこの木。見上げると青空が隠れています。この木の枝がなくなると空が見えてきますね。日光が地面に届くということです。
やや掛かり木気味でしたが、難なく伐倒。
お昼近くなったので昼休憩です。
昼休憩
この時気温28.0℃。下界は36℃を超えてたそうで(汗)
涼しいそよ風に吹かれてお弁当を食べるというのも、楽しみの一つ。
ところで、山刀というタイプのナイフを知っていますか?
先日手に入れたので昼休みに遊んでいました。こんなやつです。
刀身がシャベル型をしていて、波刃がついています。
山刀(さんとう・やまがたな)とは、「山林や山間部において、樹木の刈り払いや樹皮もしくは果実の採取、または狩猟の際の止めさしや解体などの幅広い用途(場合によっては屋外での調理作業)に用いられる刃物を指す言葉で、形状や用途などに明確な定義があるものではないため、「山刀」といった場合にどのようなものを指すかは、この語が用いられる状況・文脈によって異なる」(wikipediaより)
ウィキペディアより
この山刀は山菜掘り等に使うものですね。またぎの人たちは竹を斜めに切ったものを腰に下げて山菜掘りに使っていました。そこから進化したナイフです。
他には剣鉈も山刀と呼ばれます。
これをサクッと地面に突き立ててごりごり引いていくと、波刃で根っこを切りながらきれいに穴を掘ることができます。
先ほどの保護網補修の時の下草刈りでも使っていました。普通のナイフだと刃が滑ってしまって草がうまく刈れないのですが、波刃だとザクザクと刈ることができます。
野外活動に一つ持っていくと便利かもしれませんね。
作業再開
昼休憩後、作業再開です。
本日一番難渋したのがこれ。
木を倒すときは、基本は斜面に平行になる方向を狙います。垂直に近くなると倒れた木が斜面を滑ってふもとに「ズドン」なる危険があるんですね。その場で「ズドン」とならなくても、玉切りした後に丸太の向きを変えてしっかり幹や切り株に引っ掛けておかないと雨の降った時に「ズドン」となります。切ったばかりの木は水分を含んで想像以上に重いので作業が大変です。
今回の対象木の位置を見ると水平方向には木が重なり隙間が非常に狭くなっています。
慎重に伐倒方向を検討したものの、やはり掛り木に。今まで滑車を付け替えて引き倒していたのですが、ツルを使う方法を試しました。
枝掛りしているものを回転させたい方向の反対側のつるを切り、ロープでゆすることで切らなかった側のつるを軸に回転させることができます。この方法で掛かった枝を外しつつ伐倒することができるんです。
見事伐倒できました。今までやっていた滑車付け替え作戦よりもずいぶん効率よく倒せます。
そんなこんなで今日は4本伐倒。空が透けて見えてきました。
空が見えるということは、日光が地面に届くということです。
日光が地面に届くと下草(下層植生といいます)が生えてきます。適度な下草は表土が流出するのを防ぎ、養分を蓄えるのにも一役買います。そうして山が豊かになっていくんです。
下草が茂っている場所とそうでない場所の境目に赤線を引いてみました。
日が差すだけでこんなにも違うんですね。
最後に集合写真をパシャリ。
本日もお疲れ様でしたー